2012年1月30日月曜日

ベーシックインカムについて考えてみた(1)

ベーシックインカム、みなさん知ってます??

国民1人1人に最低限の生活を送れるくらいの金額を政府が支給しますっていう、いかにも胡散臭そうな政策ですw

でも、胡散臭いってだけで否定するのも、気持ちいい事ではないので、無い頭を使って考察してみます。できるだけ調べながら書くつもりですが、ベースとなる学問的知識が不足している可能性が高いので間違ってたら指摘して下さい。ただ、論争する知識は持ち合わせていませんので、指摘していただいてもスルーする可能性が高いことを、あらかじめ、ご了承ください。

でわ本題。いくら理念が素晴らしくても、実現できる可能性が無いものは机上の空論になってしまうので、出来るかどうかからやって見ましょう。国民1人に年間100万円(月額83,000円程度)を支給することにしてみましょう(注)。人口が1億2745万人(2010年)ですので、何とその額127兆4500億円。国の一般会計95兆円(2010年度決算額)を軽く超えてしまいます。

見た事も無い天文学的数字に戦きますが、次にベーシックインカムと重なっていて削れるようなところを探しましょう。カッコ内の数字は平成23年度の予算からです。

  • 雇用保険(就職支援施策を含む)(0.3兆円)
  • 労働災害保険(0兆円)・・一般会計からの持ち出しが少ないようです。
  • 年金制度(10.4兆円)
  • 生活保護制度(2.6兆円)
  • 子ども手当(2兆円)
  • 上記の業務に携わる公務員の人件費等

こんなところですか?15、6兆円って感じですかね。その他の経費で1、2兆円ほど上乗せできるとしても、残りの110兆円をどこからか持ってこなくてはなりません。その財源として考えられるのは、推進派の方々によると増税・国債・政府通貨などのようです。国債、政府通貨だと、デフレの現在はOKでもインフレになるとしんどそう(この辺は、折を見て書いてみようと思います)。ベーシックインカムでは行政機構の改廃が出てくるので、将来にわたっても継続可能であることが求められます(一度潰したシステムを復活させるのはかなり効率がわるい)。そこで、このブログでは110兆円を税金で賄う方法で考えてみます。

税金で賄うとしても、所得税にするのか消費税にするのかが問題になります。消費税率1%につき2兆円の歳入増と言われていますので、110兆円を賄うには55%UPが必要です。これでは、そもそも月8,3000円では最低限の生活すら難しいということになってしまいます。消費税だけでは無理のようです。

所得税ではどうでしょうか。現在の所得税による歳入が13兆円ですので110兆+13兆=123兆円を所得税で徴収する必要があります。国民総所得のうちの賃金・俸給は206兆円、個人企業の企業所得が35兆円ですので、併せて241兆円。123÷241≒0.51となり、累進性をつけずに一律とすると所得税の税率は51%必要となります。簡単に計算できるように所得税率を50%として、数モデル計算してみましょう。

  1. 年収400万円(世帯主+専業主婦+子供1人)
    • 400万円×0.5=200万円が所得税となります。
    • 400万円-200万円+(100万円×3)=500万円となり、年金等を引かれている現在の手取りと比べると100万円以上収入が増えます。
  2. 年収400万円(1人世帯)
    • 同様に400-200+(100×1)=300万円で、減収となります。
  3. 年収200万円(世帯主+子供1人)
    • 200-100+(100×2)=300万円で増収です。
  4. 年収200万円(1人世帯)
    • 200-100+(100×1)=200万円で、年金掛け分くらいは増ですかね。
  5. 年収1000万円(世帯主+専業主婦+子供1人)
    • 1000-500+(100×3)=800万円で50万円ほど減収です。

かなり、おおざっぱな計算ですが(所得税によるベーシックインカムについては京都府立大学の小沢教授の考え方を参考にしました。使用している数値は違いますが、研究者としてもっと緻密に計算されています。)、このように、収入が同じであれば世帯人数が多ければ多いほど、世帯人数が同じだと世帯収入が少ないほどベーシックインカムの恩恵を得ることとなります。

50%なんていうとんでもない所得税率ですが、とりあえずはセーフティネットとしての機能(月額83,000円)を確保しつつ、高額所得者から搾り取って子育て世帯への再配分が可能となるようです。計算はしていませんが、年金保険料等を差し引くと、租税負担率もヨーロッパ並みくらいで納まるのではないでしょうか。ただ、現実には所得税の不安定さから考えると消費税との組合わせが良いように思います。

とにもかくにも、実現不可能とは言えないようです。そこで次回は、ベーシックインカムを実施したら、どんな影響(善くも悪くも)がでるのかを考察してみたいと思います。

(注)切りのいい100万円にしたけど、基礎年金が満額で年間80万円ほど、生活保護受給者(単身・一級地)で住宅扶助を除くと月額8万円ほど。つまり、賃貸に住んでいる単身者で考えると基礎年金だけよりかは多くて、生活保護よりかは住宅扶助が無いだけ悪くなるという設定です。

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