2012年9月9日日曜日

前回維新八策の政策に異を唱えたので

前回のエントリで維新八策に異を唱えました。特に一院制と首相公選制についてです。
異を唱えるだけでは、橋下市長は「じゃあ、あんたはこのままでいいのか?」と答えられることが多いので(改革をしようとする側に疑問に答える説明責任があるとは思いますけど。。。)、私ことサジタリウスの考え方を今回のエントリでは述べさせてもらいます。

まず、参議院の問題からいきましょう。
55年体制時代に一部の参議院議員の方が改革しようと何度となく立ち上がられました。良識の府、再考の府として政局とは一線を画そうとしてきました。しかし、最近はねじれ国会と言われるように単なる政局の府として、与党を困らせて次の衆議院選挙に勝つためだけに活動するような議会に成り下がったようです。議院内閣制を採る国では政党そのものの力が増し、党議拘束が強まるのはある程度仕方がないことなのですが、首相任命権は衆議院に優越があり、不信任決議をすることもできない参議院に党議拘束は必要ありません。衆議院も参議院も同じ党利党略で動くなら、不要論が出てきて当然でしょう。同じ動きしかできない組織が2つあっても意味がありません。(民意の振れを必要最小限に抑える効果はあるはずなんですが。。。)

でわ、参議院は廃止されるべきシステムとして本当に悪なんでしょうか???
私の答えは否です。世界的にも二院制や両院制を採る国は多くあります。システムとしてまずいなら、二院制、両院制を採る国はないはずです。システムが悪くないなら、どこが悪いんでしょう?組織がうまく機能しないときは、システムそのものが悪いか運用する人間が悪いかのどちらかです。参議院のシステムが悪くないんなら、党利党略で動く議員が悪いんです。選挙を行うので、我々有権者が悪いとも言えますが。

しかし、現状の問題を解決する方策を探さないといけないですよね。参議院が党利党略、政局に関わることを最低限にすれば、単なる衆議院のカーボンコピーにならなくて済みます。維新の会が提案しているドイツの連邦参議院のような道州政府代表者会議も一つの手でしょう。ただし、ドイツは州に関わる法案のみを審議します。 道州政府代表者のみで構成される議会が道州に関わらない法案にも口出せるのはちょいと理屈が成り立たないような気がします。要は民選議員を減らせば良いんです。選挙するとどうしても政党が必要になるでしょうし、だからといって候補者の政党活動を規制することは結社の自由を侵すことになるでしょう。

で、サジタリウスが考える参議院はこんな感じです。
勅任勅選議員、道州政府任命議員と民選議員に分類します。
勅任勅選議員は、首相経験者や有識者などから天皇陛下が任命します。天皇陛下の政治的活動は民主主義国家では許されませんので、一定の基準で自動的に任命されるようにしなければなりませんが。専門的知識をもって参議院が衆議院や国民に再考を促す府として機能するために一番必要な機能です。任期は死亡若しくは引退しない限りの終身とします。
道州政府任命議員は道州政府の代表として、国政に関与します。道州政府の知事が任命します。任期は道州政府知事と同一にしましょう。道州政府の代表なんで知事が代わってもそのままって言うのは理屈が合いません。
そして、民選議員。民主主義国家なので無しってわけにはいかないでしょう。民意を無視するわけにはいかないんで。ただし、勅任勅選議員と対等に議論してもらう必要があるので、政党も変な人を候補にはできないでしょう。任期は現行の6年とします。
さて、定数はどうしましょう。3種類の議員数のバランスは難しい問題です。これによって、専門家、地方政府代表、民意、どれを重視するのかが決まります。専門家集団となることを重視したいと考えるので、勅任勅選議員が半数くらい占めるのが良いのかなと思いますが。。。

いずれにしても、英国の貴族院のように権限なくても「世界で最高の演説が聞ける場所」になってもらえると良いな。

両院制には両院制の意義があり利点欠点があります。一院制も同じです。両院制がダメだから一院制にという議論は成り立ちません。一院制、両院制の利点欠点を比較しながらどちらを採用するのかです。一度採用した両院制を一院制にするより、欠点をカバーするように改良していく方が効率的です。単純に一院制に変えるだけでは、同じようにいつか一院制の欠点にぶつかるだけです。

2 件のコメント:

  1. ロイドです。

    橋下さんのように何かしらのメスを入れることは、
    確かに必要と思います。

    ですが、鋭利すぎて支持とまで行かないところもあると思います。

    維新自体は良いことと思いますが、
    もう少し、推敲?多角化?した結論を述べられると理解が得られるんでないかなと思います。


    確かに現状は打破すべきでしょうが。

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  2. ロイドさん、コメントありがとう。
    橋下さんのような人は、必要なんですけど、あまりにも政策の肉付けと説明責任がなさすぎるように思います。
    現状を打破するのに、性急な理想論を唱えると一歩も進めず、現状のままとなることが多いです。

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